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2015.03.21  オフィスコットーネプロデュース「漂泊」 初日感想めも <<01:49


初日観劇すると意地でも感想書こうとするよくないクセ。早寝しなきゃなのにっ
「漂泊」初日観てきました。
どんな雰囲気か全然予測がつかなかったですが、なるほどーー!って感じ。
※はい。どんどんネタバレします!





この作品のテーマは「家族」です。
だからこその怖さ、不気味さ、面白さ。
わたしは「ヒャーこわい!でも面白い~~!!!」
っていう感じでかなり気楽に観てた部類に入ると思うんですけど、
どの立ち位置に感情移入するかで、
受け取り方や感じ方が全く変わってくる作品だなと思います。

フライヤーに記載されているプロデューサーの綿貫さんの言葉は、
「皆さん、大いに笑って帰ってください。この物語は所詮他人事ですから。」
というように結ばれていますが、もうね、まさにそういうことだなと思って帰ってきた…。
わたしは完璧に他人事として、傍観者視点で観ていたので、
不気味だけど面白いなと笑っていられたんだと思います。
仮に家族の一員のポジションに自分を置いてみたとすると。。。恐ろしいなぁと思いますね…


横浜に建つ、夏子と良一の夫婦が暮らす一軒家。
夫の良一は長年弁護士として勤め続けており、
妻の夏子はまさに絵に描いたような「良妻賢母」。
「関口家」はどうやら近所でも家が立派だとうわさにのぼる、恵まれた一家のよう。
でも、そんな彼らの本当の姿とは?
ひょんなことから「家」という閉じた世界に紛れ込んだ、佐山という男の存在により、
関口家の面々は思いもよらない場所へ突き進んで行ってしまう。

*……*……*……*……*……*……*……*……*

家族って、本質的にとてもグロテスクなテーマだと思います。
私自身の感覚で言うと高校生になるくらいから、
”普通”の家なんてこの世には存在しないのかもしれない、
と徐々に思うようになり、
社会人になるころにはそれは確信に変わりました。
家族の数だけ、生活の形が、色がある。
同じ家族なんてどこにも存在しない。
自分の家が「普通」だと思っていた、でもそうじゃなかった、
外の世界に触れて、そう気づいてヒヤリとした経験は、
ある程度年をかさねていればきっと誰にでもあるはず。

究極的に閉じた世界である「家族」は、
ふとしたきっかけで外からの視点を得たとき、
まるで朝の光を浴びたヴァンパイアのように脆くも崩れ去ることがある。
というようなことを観ていて感じました。

あれは抑圧の物語だと思う。
こういう目にはあいたくないなぁと誰もが思う一方で、
ほんとうに日本のどこにでもいそうな彼らの描き方が、見事だと思います。
そう、とても日本的な世界だと思った。
そして言ってしまえばものすごくありふれたテーマを、
ここまで徹底的に突き詰めて、でも全然陳腐にならないのってすごい。
私は比較的家族がらみのトラウマがないことを自覚してお気楽に生きてるので、
かなりあっけらかんと観てしまうけど…
「あなたのためを思って言っているのよ」という母の圧力は本当に恐ろしいね。
父親にも同じくそういう部分はあるのだろうけど、
「家」というハコとイコールになるのは、圧倒的に母親のほうが多いでしょう。
自らを絶対的に”正しい”と信じる夏子のいちばん悲惨な点は、
その事実にどこまでも無自覚であることだろうと思う。
でもひたすらに良妻賢母たろうと、家を支え守ろうとする彼女は、
関口家というハコの中にいる限りは、ほかの生き方を得ることはできないんだろう。

何より救いがないなと思うのは、ドメスティックな痛みは他人とは共有できないということ。
周りから見ればどんなに滑稽で理解できない状況であっても、
当事者たる家族たちにとっては、
自らのあり方が揺らげば、それは極端な話、生死に直結する。
人がいちばん最初に所属する社会は家庭だ。
その中の自分の立ち位置や信念に、とつぜん迷いや疑念が生まれたら?
こわいよねーーー観てるぶんにはいいけどあの当事者にはなりたくないよねーーー!!!

漂泊は会話劇です。
登場人物たちの絶え間ない会話で、ストーリーが進行していくのですが、
この会話のやりとりの中で、私はかなりたくさん笑いました。
基本的に、登場人物たちは夏子の言動にいちいち翻弄されるのですが、
「あーあその言い方絶対まずいよね~~地雷だよね~~」っていう言い回しを、
狙い澄ましたかのように全員が踏んでしまう様子が面白くて。
でもその笑いの中にも、冷や水をぶっかけられるような恐ろしい瞬間がいくつも潜んでいます。
そして気になったのは、笑っていたのが圧倒的にご年齢高めな観客層であったこと…
例えば「うちにもあんな時期があったわね~オホホ」ってな風に笑ってらっしゃるとしたら、
それもまじで怖いよなと、勝手に思ってしまいました。。

あと会話劇という意味では、嵐の山荘ものの側面もあるのかな?
夏子と良一、飲みすぎた帰りに実家に泊まった娘の美加(バツイチ)、
美加がその日の飲み会で酔って家に連れてきてしまったほぼ初対面の佐山、
隣の家から浸水の恐れを知らせにきた俊平。
彼ら5人は局地的な豪雨のために家の中に閉じ込められてしまう。
「家」という空間は、物理的にも閉じられて、
その中で巻き起こる些細なすれ違いから、「現実」だったはずのものは瓦解していく。
雨に閉じ込められた鬱屈とした空間の中で繰り広げられる非日常的な日常!
…なんかもうそれだけで「いいわ~~///」と思ったりしてしまうミステリー脳…

同じくフライヤーに記載のある、
アガサ・クリスティーのある小説をモチーフにして、というのがとても気になるところ。
恐らく「春にして君を離れ」だと思うんですけどどうかな。
恩田陸の「訪問者」や「木曜組曲」を思い出したりもした。

全然まとまりませんでしたけど、
コメディ要素あり、ミステリーじみた要素あり。得も言われぬ緊迫感。
あと最後に舞台を覆い尽くす仰天の仕掛け!あれほんとびっくりした。
私はすごく好きだし、めっちゃ面白いって思いました!
しかし確実に好き嫌いというか、得手不得手のわかれる作品であることは間違いないです。

ここまでまさかのみつやさんについて触れてない事態。笑
今回のみつやさん、会話の中でたくさん笑いどころに関わってて、
お客さんが湧いててなんだか嬉しかったです!というのがまずあります。
あと声の通りが本当に良くなった。手術した成果が去年より出てると思う!
確実に誰もみたことのない感じの役なので、
そのあたりは次回以降にじっくり書きたいなと思います!

でも最後にみつやさんに関してひとつだけこれだけは言わせて!
「ツイッターでコットーネさん公式にあがってたあの写真で着てた服、
稽古着かと思ってたけど…衣装やったんかい!!!」
あと、
「それってもしかして一部確実に私服ですか!?ですよね!?」
…だって靴下が紫なんだもん!!!笑
出てきた瞬間ほんと衣装に関するもろもろが面白すぎてしんどかった…。

週末はお休みですがまた観に行っていろいろ書けたらなとおもいます。書く書く詐欺になりませんように。

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